
「ボルドー・プリムール」とは?
プリムールとは、樽で熟成中のワインを一部先行販売するという、ボルドー独自のシステムです。
「プリムール」として売り出されるワインは、長期熟成が見込める高級ワインがほとんどです。
年月を経ると、その市場価値は上昇する傾向にあり、ヨーロッパでは富裕層の投資商品として知られています。
「プリムール」は"シャトー"ものが中心
ブドウ栽培から醸造・瓶詰めまでを行うボルドーの生産者・シャトー。
世界屈指の高級ワインに分類されるシャトーのワインは、長期熟成を経て味わいが深く、年月を経ると市場価格が上昇する傾向にあります。
これらの高級ワインが「プリムール」として販売されます。
プリムール・ウィーク
毎年4月初旬「プリムール・ウィーク」と呼ばれるその期間中に、世界中のワインの評論家やバイヤーがボルドーに集結し、試飲を行います。(2019年、2020年については、コロナのために「遠隔地」で実施。)
その試飲を通して、ワイン評論家やバイヤーはワインの出来栄えを判断し、買い付け数などを決めていきます。
さらに、各シャトーはワイン評論家の評価や、世界の経済情勢を加味しながら、値決めを考え始めます。
「プリムール」はワイン市場全体に影響を及ぼす大切な要素の1つと言えます。
ボルドー・2024ヴィンテージの特徴
2024年は、天候と病害との厳しい闘いの末に得られた“努力のヴィンテージ”と言えるでしょう。2022年のように「偉大な年」ではないかもしれませんが、ブドウ栽培とワイン造りにおける技術や判断力が試され、それが成功に繋がった銘柄も。アルコール度数は12.5-13.5%に抑えられ、最近のヴィンテージで見られるような肉厚なスタイルとは異なるエレガントなスタイルは、1990年代のボルドーを想起させます。
2024年のボルドーは、気候的には決して理想的な年とは言えませんでした。
生育から収穫に至るまで度々困難が押し寄せたことで、生産者の力量により品質にバラつきが見られます。ボルドー全体での生産量は少なくなりましたが、生産者蔵出価格は2023年よりもさらに下がり、生産者によっては2022年対比で50-60%減、2023年比で約30%減でのリリースが予想されます。また日本市場では、為替もややプラスに働き、超円安であった2023VTよりも多くの恩恵を受けられることが期待されます。
2024年のボルドーの天候と収量
1記録的な多雨
非常に多雨な冬と春から始まったヴィンテージ。2023年10月から翌5月までの累積降水量は平年を大幅に上回り、4月から激しいベト病の発生が見られるなど、生育期を通じて病害リスクが高く、厳格な対応が必要とされました。湿潤な気候により、メルロを中心に「花ぶるい」や「不完全結実」が発生し栽培家たちを悩ませましたが、夏以降は天候が回復し、色づき(ヴェレゾン)が進行。成熟は例年より遅れ気味とはなりましたが、時期を慎重に見計らいながら収穫が行われました。
21990年代を彷彿させるエレガントな赤
ボルドーの赤にとって2024年は、“力強さ”ではなく“表情”と“繊細さ”が際立つ年です。メルロは明るくフルーティな果実味が中心で、アロマの立ち上がりが良く、若いうちから楽しめるタイプ。タンニンはしなやかで、飲み口は柔らかく、親しみやすい印象。リブルヌ右岸の石灰質土壌では、まろやかさとほどよい厚みを兼ね備えたスタイルに仕上がっています。一方で、カベルネソーヴィニヨンは、10月初旬の晴天に恵まれたことで、酸と果実味のバランスが整い、骨格あるスタイルに。青臭さの元となるIBMP(ピーマン香の成分)は収穫時に検出限界以下に抑えられており、熟度のコントロールが成功している証拠といえます。特にメドックの砂利質の優良区画では、色調・骨格・余韻ともに優れたワインが生まれました。
32024年の収量
ボルドーワインの収穫量は2021年から3年連続で比較的少なかったですが、2024年はさらに減少し1991年以来の最少収穫量となりました。数字にすると、2024年のワイン総生産量は約3億3,200万リットル、収量は35hl/ha(ヘクトリットル/ヘクタール)で、平均を20%程下回った2021年に近い低水準です。

▲2024年と過去30年の月平均降水量の比較

▲2006年から2024年までのボルドーのワイン生産量推移
ワインの製造工程とプリムールの販売時期
2024年ヴィンテージのボルドーワインの場合、2024年の秋に収穫したブドウは、各シャトーで圧搾・発酵・熟成を経たあとに木樽に入れてさらに約1年間熟成されます。
収穫したワインが市場に出るのは、収穫の約3年後の2027年春~夏頃。
プリムールはその通常販売の時期に先駆けて、木樽で熟成させている途中で売り出されているものです。
高価なボルドーワインは、長期熟成を経て味わい深く、年月が経つとその市場価格は上昇する傾向にあります。
プリムールでボルドーワインを買うということは、一番早く、安い段階で価値のあるワインを購入できるということ。そのワインはどんどん価値を高めていくでしょう。
まだ市場に商品として売り出されていないワインを買うという、新しい経験をしてみませんか?

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ヨーロッパで伝統的な「ワイン投資」とは?
ご存知のとおり投資には、株式や債券などの伝統的資産を対象とした投資と、不動産やオプション取引のような伝統的資産以外を対象としたオルタナティブ投資があります。
オルタナティブ投資の中でも商品先物市場で取引されている金やプラチナ、穀物など、商品に投資するコモディティ投資があり、ワインもそのうちのひとつに含まれます。
日本ではあまりなじみがありませんが、株式や債券のように金融市場の影響を受けることがなく、一般的な金融資産とは異なる値動きをするため、分散投資、いわばリスクヘッジに有効な方法として、ヨーロッパの伝統的な投資のひとつとなっています。

※本記事はワインの投資目的による購買を推奨する意図はございません。
世界の約4分の1の富裕層がワインコレクター
2018年、サザビーズのオークションで、1945年ヴィンテージのロマネコンティが1本558,000ドルで落札。
グラス1杯で1,000万円相当の価格です。また、その年ジュネーヴのオークションでは、故アンリ・ジャイエ氏のワインが総額3,000万ユーロ(40億円相当)で落札されました。
このように近年、一部のワインは価値の推移のポジティブな側面が注目されており、世界の富裕層の熱い視線がボルドープリムールに注がれているというのも頷けます。
アメリカのワイン経済ジャーナル「American Association of Wine Economists」によると、「世界の4分の1の富裕層がワインコレクターであり、資産の2%をワインで保有していると推測される」としています。(※3)
(※2)(※3)出所:「金融市場とパッション投資〜ワインのケース〜」三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券株式会社作成
ワイン投資は楽しみながら
ワインは株のように流動的に価格が変動するということはないため、短期的な利益を見込めるわけではありません。
特に投資の対象となるようなファインワインには「飲み頃」が存在し、その見極めは難しくもあります。ですので、ワイン投資は、先に述べたように、資産の分散や長期投資として考えるのが良いでしょう。グレートヴィンテージのもの、生産量が少なく希少性のあるものは、需要が高まり値上がりも期待できます。
しかしそれよりも「ワインの飲み頃を待つ」、それが最大の魅力。ご自身で購入したとっておきのヴィンテージワインとして、好きな時に飲めるのが、何よりもの楽しみです。ワインは生き物ですから、ぜひここぞ!というタイミングまで熟成を待ちましょう。カドがとれ、まろやかに、そして複雑で繊細に変化したワインをじっくりと楽しみたいものですね。











